形だけの結婚がしたい、新しいカタチの結婚相手をみつけるには?

結婚は人生の大きな節目とされていますが、必ずしも従来の形にとらわれる必要はありません。「形だけの結婚」という選択肢が注目されるようになってきました。形だけの結婚といっても偽装結婚のような結婚を装うものではなく、友情結婚などお互いを尊重する結婚のスタイルです。この記事では、形だけの結婚を選ぶ理由やそのメリット・デメリット、安全な相手の見つけ方について詳しく解説します。あなたの人生に合った結婚のカタチを見つけるための参考にしてください。
なぜ「形だけの結婚」を選ぶのか?
形だけの結婚とは、法律上は夫婦となるものの、従来の夫婦関係(愛情や性的関係を含む)を持たない結婚スタイルです。近年では友情結婚や契約結婚など様々の結婚のかたちが注目されています。このような結婚形態を選ぶ背景には、社会的なプレッシャーからの解放や個人的な事情など、様々な理由が存在します。形だけの結婚は、従来の結婚観にとらわれず、自分らしい生き方を模索する方々にとって、新たな選択肢となっています。
親からのプレッシャー、世間体…様々な理由で
多くの人が「形だけの結婚」を選ぶ最も一般的な理由は、親や親族からの結婚プレッシャーを解消するためです。日本社会では、特定の年齢になると「結婚はまだ?」「子どもはまだ?」といった質問を頻繁に受けるようになります。このような質問は、本人にとって大きなストレスとなることが少なくありません。
形だけの結婚は、このようなプレッシャーから解放される手段として機能します。法律上は結婚しているため、親や親族からの心配や質問が減少し、精神的な負担が軽減されるのです。また、就職や昇進において、既婚者が有利に扱われるケースもあります。特に保守的な企業では、「安定している」「責任感がある」というイメージから、既婚者が重用されることがあるのです。
さらに、一人暮らしの経済的負担を軽減したいという理由もあります。家賃や光熱費などの生活コストを二人で分担することで、経済的な余裕が生まれます。特に都市部では住居費が高騰しているため、このメリットは大きいと言えるでしょう。
「結婚していないと親が心配する」「親に孫の顔を見せたい」という親孝行の気持ちから形だけの結婚を選ぶケースもあります。親の世代にとって、子どもの結婚は大きな安心材料であることが多いのです。
LGBTQ+の方にとっての「形だけの結婚」
LGBTQ+の方々にとって、形だけの結婚は特別な意味を持つことがあります。日本では同性婚が法的に認められていないため、同性愛者がパートナーと法的な関係を結ぶことは困難です。そのため、LGBTQ+コミュニティ内で「形だけの結婚」が一つの解決策として浸透しています。
例えば、ゲイの男性とレズビアンの女性が形だけの結婚をすることで、両者とも社会的なプレッシャーから解放されると同時に、法的なメリットを享受できます。住宅ローンの共同申請や相続権の確保など、法律上の夫婦にのみ認められる権利を得ることができるのです。
また、自分のセクシュアリティを周囲に開示したくない方にとっても、形だけの結婚は「カミングアウト」の必要性を減らす手段となります。職場や親族に対して、パートナーの存在を説明する必要がなくなるためです。
LGBTQ+の方々が形だけの結婚を選ぶ背景には、社会的な偏見や差別からの保護という側面もあります。残念ながら、現代社会においても性的マイノリティに対する理解は十分とは言えません。形だけの結婚によって、社会的なステータスを確保しつつ、本来の自分らしさを保つことができるのです。

形だけの結婚のメリット・デメリット
形だけの結婚を検討する際には、そのメリットとデメリットを十分に理解することが重要です。この結婚形態は従来の結婚とは異なる特性を持っており、それぞれの事情に合わせたカスタマイズが可能である一方で、法律上や倫理面でのリスクも存在します。以下では、形だけの結婚の主なメリットとデメリットについて詳しく解説し、この選択肢が自分に合っているかどうかを判断する材料を提供します。
メリット:それぞれの事情に合わせた結婚生活
形だけの結婚の最大のメリットは、カスタマイズ性の高さです。従来の結婚では「愛情」「同居」「子育て」などが当然のように期待されますが、形だけの結婚ではこれらの要素を自由に選択できます。
例えば、同居はするけれど性的関係は持たない、別居婚で必要な時だけ夫婦として振る舞う、といったように、お互いの希望や事情に合わせた関係性を構築できます。これにより、プライバシーや自由を大切にしながらも、結婚によるメリットを享受できるのです。
税制面での優遇も大きなメリットです。配偶者控除や配偶者特別控除、生命保険の受取人指定など、既婚者には様々な経済的メリットがあります。特に収入格差がある場合、税金面での恩恵は大きくなるでしょう。
また、健康保険や年金の扶養制度も活用できます。一方が収入の少ない専業主婦(主夫)の立場になることで、もう一方の健康保険に加入でき、保険料の負担を減らすことができます。
住宅ローンの共同申請も大きなメリットです。単独での申請よりも高額のローンが組めるため、より良い住環境を手に入れやすくなります。都市部での不動産取得を考えている方にとって、これは非常に重要なポイントとなるでしょう。
何より、社会的な「既婚者」というステータスを得られることは、多くの人にとって大きな安心材料となります。親族や会社の同僚からの「結婚はまだ?」という質問からも解放され、精神的な負担が軽減されるのです。
デメリット:法律や倫理、そして将来のリスク
形だけの結婚には、考慮すべき重大なデメリットも存在します。まず、法律上は完全な夫婦として扱われるため、離婚する際には通常の結婚と同様の手続きが必要になります。財産分与や慰謝料などの問題が生じる可能性があるため、事前に十分な話し合いと取り決めが必要です。
特に注意が必要なのが、「婚姻費用の分担」義務です。民法では、夫婦は互いに協力して生活する義務があるとされています。形だけの結婚であっても、この義務から完全に逃れることはできません。一方が経済的に困窮した場合、もう一方に扶養義務が生じる可能性があるのです。
また、将来的な変化にも注意が必要です。例えば、本当の恋愛相手ができた場合、法的には既婚者であるため新たな関係に影響が出る可能性があります。再婚するためには離婚手続きが必要となり、時間とコストがかかります。
相続の問題も重要です。形だけとはいえ法律上の配偶者となるため、相続順位が上位になります。事前に遺言書を作成していない場合、意図しない相続が発生する可能性があります。
社会的・倫理的な側面も考慮すべきでしょう。「偽装結婚」と見なされる可能性があり、周囲からの理解を得られないケースもあります。特に親族に対して形だけの結婚であることを隠している場合、長期的には精神的負担になることもあるでしょう。
安全で信頼できる相手を見つけるには?
形だけの結婚を成功させるための最も重要な要素は、安全で信頼できるパートナー選びです。通常の恋愛関係と異なり、形だけの結婚では契約的な側面が強くなるため、相手選びには特に慎重になる必要があります。お互いの価値観や将来設計が一致しているか、信頼関係を構築できるかが重要なポイントとなります。この項目では、安全なパートナー探しの方法と、専門機関の活用について解説します。
パートナー探しで失敗しないための注意点
形だけの結婚のパートナー選びでは、何よりも価値観の一致が重要です。なぜ形だけの結婚を望むのか、どのような結婚生活を送りたいのかについて、お互いの考えを明確にする必要があります。
例えば、同居するのか別居するのか、家事や経済的負担はどのように分担するのか、親族や友人には何と説明するのかなど、細かい点まで話し合っておくことが重要です。これらの点で齟齬があると、後々大きなトラブルになる可能性があります。
信頼関係の構築も欠かせません。形だけとはいえ、法律上は完全な夫婦となります。お互いの個人情報や財産状況などを共有することになるため、高い信頼性が求められます。初対面や短期間の付き合いでの形だけの結婚は避けるべきでしょう。
形だけの結婚は長期的な関係となる可能性が高いため、性格の相性も重要な要素です。日常生活での些細なストレスが積み重なると、関係が悪化する原因になります。ある程度の期間を通して、相手の生活習慣や価値観を確認することをおすすめします。
また、将来計画についての一致も重要です。例えば、いつまで結婚関係を続けるのか、将来的に本当の恋愛相手ができた場合はどうするのか、子どもを持つ予定はあるのかなど、長期的な視点での話し合いが必要です。
何より重要なのは、書面での合意形成です。形だけの結婚の条件や取り決めについて、書面で残しておくことで、後のトラブルを防げます。法的効力のある契約書を作成する場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
信頼できる結婚相談所の利用
形だけの結婚相手を探す際、信頼できる結婚相談所の利用も一つの選択肢です。近年では、友情結婚などの様々な結婚スタイルに対応した専門の相談所も増えています。
結婚相談所のメリットは、身元確認がされている点です。本人確認や独身証明書などの確認が行われているため、基本的な安全性が担保されています。また、プロのカウンセラーが間に入ることで、条件のすり合わせがスムーズに進むことも多いでしょう。
特に様々なカタチの結婚に特化した相談所では、同じ目的を持った人との出会いが期待できます。ただし、相談所選びには注意が必要です。料金体系は明確か、成功実績はあるかなどを事前に確認しましょう。無料相談や体験入会などを利用して、相談所の雰囲気や対応を確かめることをおすすめします。
また、オンラインのマッチングサービスも増えています。これらのサービスでは、地理的な制約なく相手を探すことができるメリットがありますが、身元確認が不十分な場合もあるため、慎重な利用が求められます。
相手探しの方法 | メリット | デメリット | 安全性 |
---|---|---|---|
知人の紹介 | 信頼性が高い、相性が分かりやすい | 選択肢が限られる | ★★★★★ |
専門の結婚相談所 | 身元確認済み、同じ目的の人が集まる | 費用がかかる | ★★★★☆ |
オンラインマッチング | 選択肢が多い、地理的制約がない | 身元確認が不十分な場合も | ★★☆☆☆ |
SNSのコミュニティ | 費用がかからない、気軽に始められる | 信頼性の確認が難しい | ★☆☆☆☆ |
個人広告 | 具体的な条件を提示できる | 悪用されるリスクがある | ★☆☆☆☆ |
まとめ:あなたに合った結婚のカタチを見つけよう
- ✓ 形だけの結婚は、社会的プレッシャーからの解放や法的メリットを得るための選択肢として注目されている
- ✓ メリットとして、カスタマイズ可能な関係性、税制面での優遇、社会的ステータスの獲得などがある
- ✓ デメリットとして、法的義務の発生、将来的な複雑さ、社会的・倫理的な問題などに注意が必要
- ✓ パートナー探しには、価値観の一致確認、信頼関係の構築、書面での合意形成が重要
- ✓ 専門の結婚相談所の利用も、身元確認された相手と出会える安全な選択肢である
- ✓ 形だけの結婚は、従来の結婚観にとらわれない新しい選択肢であり、自分の人生に合ったカタチを見つけることが大切

PROFILE
結婚相談所の代表カウンセラーとして約10年間、200名近くの成婚者を輩出。所属協会からは成婚優秀賞や入会優秀賞などを受賞。お客様一人ひとりに寄り添い、最適なパートナー探しをサポートすることに情熱を注いでいます。
監修者:結婚相談所アイビジョン代表カウンセラー 小島千恵